医療法人玲心会

訪問看護ステーションふるる

ひろばバックナンバー

住み慣れた我が家~皆で支援(2010/05/07)

季節の花

I様81歳(女性)。

50代の時、親の介護の為にご夫婦で関西から帰鹿され、もう30年となりました。

3年程前よりご夫婦共に要介護者となられ、家事援助のため、ヘルパーなど介護サービスを利用しながら生活されています。以前より入退院を繰り返しておられたのですが、最近ご本人やご家族より、病状への不安が多く聞かれるようになりました。

子供さんはみなさん県外在住で、何かあってもすぐには駆けつけられないこと、両親の生活の様子が解らないなどから、ケアマネージャーへ何か良い方法はないものかと相談され、訪問看護の制度をお知りになったそうです。

娘さんより「母の病気が心配です。訪問看護師さんに看てもらい、具合が悪そうな時は早く対応してもらって、安心して我が家での療養生活が送れるように対応をお願いしたい」と訪問看護の依頼があり、利用を始められて約2年が経過しました。この2年間に緊急時訪問も数回ありましたが、大事には至らず、今も在宅療養生活が継続しています。

ご本人より「年寄りが家でこうしてなんとか生活できるのは、良い制度ができたおかげよね。看護師さん、ヘルパーさん、ケアマネージャーさん達のおかげです。子供たちも安心だと喜んでいます」とのお言葉を頂きました。

子供さん達から毎日電話があり、様子を聞かれるそうです。又、年に数回は3人の子供さんが交替で帰省され支援されています。在宅での療養生活を維持するためには、医療機関による治療とfollowだけでは足らず、ご家族や近隣の人たちの協力と、介護サービスなどの様々な支援があって、はじめて安心できる在宅療養生活が確保されるのだと思っています。

これからも関係各機関との協力と連携を図り、I様ご夫妻にとって、もっとも望ましい良質の介護医療サービスが提供できるよう、創意工夫に努めます。

「てげてげ介護が一番よ」介護者のつぶやき(2010/03/31

季節の花

仕事一筋のI様 70歳 突然の脳梗塞発症。後遺症のため寝たきりの生活へ一転した。

介護度5のレベルで、食事は食べられず胃瘻栄養となった。何度か肺炎も発症した。

発症から6ヶ月間、奥様はI様に会うため毎日片道30分かけて病院へ通った。通いの介護に疲れを感じ始めた頃、奥様は自ら自宅で夫を介護することを決意して、I様を家につれて帰った。「家で看たい」奥様の“在宅介護の希望”の申し出に、病院側はまだ在宅復帰の段階と考えていなかったこともあり、やや慌てたようだが、奥様の希望を尊重して、在宅生活に向けてスケジュールを調整した。桜のつぼみがほころび、季節は春。在宅介護を始めて5ヶ月が過ぎた。

住み慣れなれた我が家で穏やかに過ぎる時間の中、聞こえてくる犬や牛の鳴き声、農耕機の音、家族の会話、生活の音、草花の香り、心地良い春風。在宅ならではの音や香りなど五感を刺激するものがいっぱい。病院では見られなかった変化も現れ始めた。入院中に発語は全くなかったのに、今は少しずつだけど言葉を発するようになった。これには奥様もびっくり。「家の方が断然楽だよ」と在宅介護を楽しんでいるかのように話す。

退院のときレンタルしたベッドは返却した。畳の上の介護が楽なのだそうだ。「腰は大丈夫?」と看護師は心配したが、娘さんが座椅子にキャスターを取り付けてくれたおかげで、畳の上の移動も楽にこなせて、奥様の腰への負担も少ない。I様も自分の足の力を利用して移動するのでリハビリの効果もあり一石二鳥。すごいですね。寝たきりだったのに。

訪問は週1回。胃瘻の管理、吸引指導、床ずれの状態と排便の状態を観察、緊急時の対応を行っている。「安心して家で過ごせる」と言っていただいた。

目の前には高隈山がそびえたち、その雄大な姿に心が満たされる。しかし山裾の寒さは一層厳しく、風邪や肺炎の合併が何より心配である。幸い無事に過ごしていて、お正月も家族みんなで元気に迎えられた。本人はもとより家族も大喜び。この調子だとずっとお家で過ごせそうです (^_^)

奥様に介護の秘訣をお尋ねすると「てげてげ介護が一番よ」と鹿児島弁で明るく語る。「病院にいたときより全然楽だよ。介護する者が元気だと介護される方もほっとするんでしょ。どうにかなるのよ。」

奥様から元気をもらって、また次の訪問先へ車を走らせる。庭先にウグイスの鳴き声が響いている。何とも心地よい。

訪問看護を利用して(2010/03/15

訪問看護を利用して・・・・・父を看取って今想うこと

そして訪問看護師への思い・・・

要介護の父を老人保健施設にお願いして遠方で暮らしておりましたが半年間に、3度の入退院を繰り返しまたトラブルなどもあり、状況がみえず 即対処できず 遠方だと心配するのみでどうすることもできません。

自分の親なのに、人任せにしていたからだ と後悔の念しきり。

今しかない・と主人を残し子供と実家へ、父を看るために帰って来ました。

「できる限り自宅で看る」というプランを組んでもらいました。

週3回の通所リハビリ 週3回の訪問看護の組み合わせ。

さあ、今日から介護!と家に戻ったものの、私にはまるで未知の世界。

車椅子はどうして使うの?

ベッドにはどう移すの?

おむつはどんなふうに替えるの? 等々。全てが初心者レベルでした。

今日は「訪問看護の日」は、私にも父にも:いい日:なのでした。父は他人と顔を合わせ、会話すればいい刺激になるし、私は看護師さんの健康チェックが、父を看る目安になりますし、また食事の指導 皮膚のトラブルの処置 部屋の環境 ベッド寝具類のチェック等々数え切れない程の教えをいただきました。

具体的なご指導があればこそできた在宅介護です。

私も父も、それぞれの立場を、誰よりも看護師さんが理解してくれる人だと心から信頼し、他人には話せないことも看護師さんには心のうちを話したり、逆に考えを聞いたりもしました。訪問看護を利用し、24時間いつでも対応してもらえたことは大きな安心そして何より心の支えに繋がりました。

この短い介護の日々でしたが、訪問看護なくしては出来得なかった介護の日々でした。もちろん他の機関全て皆様との連携があってのことだと心より感謝しております。

父親と娘はどちらかと言うと、つい疎遠になりがちですが、おそらく私が幼少の頃、親に抱っこされたり、お風呂に入れてもらった分を、今私が父のおむつを替えたり、着替えをさせたりとその同じ時間分ぐらいスキンシップ・介護する時間が親子の重なる部分だと思っています。

また、昨今の核家族時代、人間の老いていく姿、そして終焉を、自分の幼い子と看取れたことは何にもかえがたいものだと思っています。

父には、自宅で介護したことがベストだったのか?今は問い質す術もなく、まだあれもこれもしてあげたかったことばかりが思い残る中、聞こえてくる蝉の声につい心は外に向き、気がつけば大好きな草花をいじっている静かな自分がいます。

※ ふるる利用者様の娘さんから寄せられた手記で、H20年の県訪問看護ステーション広報誌に掲載されたものです。

住み慣れた我が家で(2010/01/22)

住み慣れた我が家で

K様 83歳は、娘さんの支援を受けながら独居で在宅療養中。入退院を繰り返される中「やっぱり我が家がいいよ。今年も無事正月を迎えられた。」と満面の微笑みで語ってくださる。

お元気な頃は農業と畜産業を営み、朝早くから夜は遅くまで働き通しだったが、辛いと思うこともなく、牛の世話が楽しみだったとのこと。10年ほど前にご主人が他界されてからは独居となり、町外に住む娘さんの支援を受けながら生活されています。

「私は胸に爆弾(動脈瘤)を抱えている。治る事はないけど、悪くならないように先生の言う通りに薬を飲んで、毎日血圧を測っている。あんた達が来て身体のことや、身の回りの事等いろいろ心配してくれるのが有り難い。あんた達が来てくれると胸がスーと軽くなるがよ。具合が悪い時はすぐに来てちょうだいね。」と訪問を心待ちにされ喜んでくださる。お話上手で訪問時にはいろいろな事をお話ししてくださいます。その中の一例を紹介します。

毎朝、仏壇にお茶をあげ、仏様に「今日もこのおばあちゃんを守って下さい」と拝み、夜は「今日は守ってくださって本当にありがとうございました。どうにか一日を過せました」とお礼を言って手を合わせていらっしゃるとのこと。一日を無事に過せたことへの感謝の気持ちが良く伝わるお話でした。毎日を当たり前のように、何気なく過している自分が恥しく思え、一日一日を大切に、そして感謝の気持ちを忘れずに過す事を教えられました。

新年を迎え今年もK様にとってよい年になりますようにお祈りいたします。

住み慣れた我が家で いつまでも(2010/01/06)

住み慣れた我が家で

奥様のアイデアで、お部屋の壁には娘さん お孫さん達の笑顔いっぱいの写真が多数貼られています。在宅復帰にあたりN様が喜ぶように、奥様のアイデアで壁全体に写真を貼られました。

娘さん達のあどけない可愛らしい写真や、かしこまった記念写真、お孫さん達の笑顔いっぱいの写真、中には懐かしいセピア色の写真もあって、思わず顔がほころびます(^。^)。

お部屋の何処にいても、お子供さんお孫さん達に囲まれて、N様も写真を見ては「良かがなー」と昔を懐かしみ、嬉しそうに写真にまつわるエピソードを話して下さいます。

脳梗塞の後遺症で歩行が不安定なN様。元気だった頃の写真を見て「あの頃みたいに歩けるようになりたい・・・」と切実な思いを胸に、リハビリへの意欲をとても強く抱いていらっしゃいます。

ご自宅にはご主人も顔負けの、奥様自慢の日曜大工で作った手すりや、ベッドサイドテーブルが設置してあるなど、あらゆる工夫が施されていて、自宅でのリハビリを充実させています。

「家で具合が悪くなったらどうしたらいいの?私は出来ん」と不安を抱えながらの在宅生活の始まり。退院後すぐに訪問看護・訪問リハビリ支援の縁を頂きましたが、ご夫婦ともども、元気にリハビリを頑張っておられます。

お互いを名前で呼び合うおしどり夫婦。今後の目標をお聞きすると

N様「歩けるようになりたい」

奥様「病気が悪くならずに一緒に外を散歩できるようになってほしい」とお話されました。

目標に向かって、日々のリハビリが継続できて、安心して在宅生活を送っていただけるよう、これからもお手伝いさせて下さい。

住み慣れた我が家で・・・(2009/11/25

アニマルテラピーアニマルテラピー

アニマルテラピー

H様宅の愛犬の名前は、もも

H様がお仕事の帰りに、草むらに捨てられていた子犬を見つけ、家に連れて帰って6年。当時犬嫌いで、子犬にも全く興味がなかった奥様は、ご主人の「子犬を飼いたい」という熱い思いに負けてももを飼い始めた。今では奥様の、ももをかわいがる様は格別で、ももは絶対的存在となっている。

ももとH様夫婦との散歩は大事な日課。ご主人の車椅子を引っ張るもも。その光景は何とも微笑ましく、道行く人も足を止めて思わずにっこり。

H17年から週3回のPTによる訪問リハビリを含む訪問看護と、週2回の通所リハビリを利用しながら、日々のリハビリを頑張っている。その成果も上々である。

ももは訪問看護の車が見えると、一生懸命に尻尾を振って、ベランダの柵の合間から身を乗り出して迎えてくれる。愛嬌たっぷりの表情は癒し系そのもの。

訪問看護の利用が始まって4年。「訪問看護師には常に病状を把握してもらっているし、具合が悪いときは、休日や夜間を問わず24時間対応してもらえる。在宅生活をしていくうえで、訪問看護師が果たしてくれている役割はとても大きく、欠かせない心の支えだ」と話してくださる。

そして何よりも、愛犬ももとの触れ合いは、H様の本当に大きな心の支えになっている。かつては入退院を繰り返していたけれど、今は安定した在宅生活が送れている。私たち訪問看護師は、H様の在宅生活をサポートできていると自負しているが、もしかしたら、ももの存在には決してかなわないのかもしれない。アニマルテラピーの効果を実感する毎日である。

これからもずっと住みなれた我が家で過ごせるように。

住み慣れた我が家で・・・(2009/10/20)

毎週金曜日満面の笑みで訪問看護を迎えてくださるN様

T.N様 80歳

毎週金曜日満面の笑みで訪問看護を迎えてくださるN様。

47歳から女手一つで3人の子供さんを育てられ、難儀さ苦労は言葉では言い尽くせない幾多の苦難を乗り越えてきました・・・・と昔を振り返り様々な思いを懐かしく語られます。

現在は息子さん夫婦と同居され、12人のお孫さんと5人のひ孫さんにも恵まれてお孫さんの成長を日々楽しみに過ごされています。T様の趣味のひとつに詩つくりがあります。

訪問先でご披露いただいた詩を紹介させていただきます。

私達訪問看護師もこの詩のように、その方の思いを共感できる感性豊かな自分でありたいと思う今日この頃です。

詩

新鮮朝採れお父ちゃんへ(2009/09/28)

にがうりの栽培

寝たきりのご主人を介護されているS様。

ご夫婦お元気な頃は大崎町特産物のゴーヤを出荷。

今は裏庭の菜園で家庭用のゴーヤを栽培されています。

小柄な体で大柄のご主人を介護される奥様の懸命な姿には、ほんとうに頭が下がる思いです。すばらしい夫婦愛にあふれています。

ゴーヤ料理は奥様の得意料理で、召し上がるたびにご主人はとてもにっこりされます。

おかげで食欲も旺盛。今年は夏バテも知らず、猛暑を乗り切れました。

奥様の「看られる限りは家で看ます」の思いがいつまでも叶うように私たちもお手伝いさせていただきます。

これからも一緒にがんばりましょうね。

自宅菜園にて撮影  2009年8月のある日

去る7月7日(2009/08/25)

見学実習

2009.7.7 サンセリテ玄関前にて撮影

去る7月7日、鹿児島大学病院医学部保健学科看護学専攻科4年生1名訪問看護の見学実習に来られました。医療依存度の高い地域住民に対して訪問看護ステーションの果たす役割等を学んでいただきました。自然に囲まれた在宅での実習はいかがでしたか?

暑い中お疲れ様でした。


訪問看護ステーションふるるのリーフレットをリニュ-アルしました。(2009/07/10)

リーフレットリーフレット

訪問看護ステーションふるるのリーフレットをリニュ-アルしました。

訪問看護のことを、皆様にもっと詳しく知っていただくために、ちょっと工夫してみました。

「訪問看護」ってなあに?「訪問看護」ってなにしてくれるの・・?

そんな疑問にお答えして、訪問看護サービスを正しく理解して上手に利用していただける内容にしてみました。

ぜひご覧ください。

どうぞお気軽にふるるへ直接お問合わせください。

お問い合わせ先
  • 訪問看護ステーションふるる
  • 住所:鹿児島県曽於郡大崎町野方6047番地3
  • TEL:099-471-0077