「病気や障害があっても住み慣れた自宅で療養したい」「住み慣れた自宅で自分らしく最期まで過ごしたい」という願いが叶うなら、多くの方が在宅療養生活を希望されることでしょう。
20世紀後半以降、人々の多くは病院や施設で最期を迎えるようになりました。しかし近年、医学や技術の進歩に伴い、自宅でも高度な医療機器を設置し取り扱えるようになってきており、かつては病院でしか受けられなかった治療が家庭でも受けられるようになり、在宅療養に移行する人が増加しています。
在宅での療養生活を始める際には様々な不安が先立つことでしょう。「家に帰ってからどのように治療すればいいのかわからない」「急に症状が悪くなった時どうしたらいいの?」「独りだし家は狭いし家族に迷惑をかけてしまう」などたくさんの不安と心配を抱きます。
現在、病院と同じくらいのレベルと内容の治療を自宅で受けながら、在宅療養を受けている方が数多くいらっしゃいます。在宅療養を行うとき、とても重要な役割を果たしているのが「訪問看護」です。病院・施設と在宅の間の安心の架け橋となります。
このコーナーでは、「訪問看護」をより詳しく知ってもらうために‘訪問看護とは?’‘訪問看護を利用するまでの流れ’‘訪問看護のサービス内容’‘訪問看護ステーションの機能’‘ステーション選択のポイント’‘訪問看護師の役割’‘利用料金’‘在宅生活のワンポイントアドバイス’など、訪問看護に関する情報や、実際に訪問看護を利用された方々の事例を紹介していきます。
訪問看護とは?
看護師や理学療法士が、ご自宅を訪問し療養生活を送っている方の看護やリハビリを行なうサービスです。
ご本人ご家族の意向やライフスタイルを尊重して、QOL(生活の質)の向上に努めながら予防的支援から看取りまでを支えます。医師 薬剤師、理学療法士 ケアマネージャー栄養士など多職種と連携し、利用者の状況に応じた在宅サービスを取り入れていきます。
ご自宅での療養生活における心配、不安、悩みなど、さまざまな相談に応じ、療養生活がよりスムーズに行えるように支援するほか、心身の状態、治療状況、療養介護の状況、社会生活、療養環境などを総合的に判断して、必要かつ適切な看護を実施します。
訪問看護を受けられる人は?
病気や障害があり、在宅療養していく上で支援を必要とする方。
赤ちゃんからお年寄りまで、主治医(かかりつけ医)が訪問看護の必要を認めた全ての方が対象となります。
医療保険及び介護保険のいずれかで利用することができます。
訪問看護は誰が来てくれるの?
訪問看護ステーションの看護師が計画的に訪問します。
またリハビリを必要とする方には、理学療法士・作業療法士による訪問も出来ます。
次回は訪問看護サービスの内容についてお伝えします。